大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第二小法廷 昭和59(あ)774 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中六〇〇日を本刑に算入する。

理 由

被告人の上告趣意第一点は、憲法三八条二項違反をいうが、記録を調査しても、

被告人の自白の任意性を疑わしめる証跡は認められないから、所論は前提を欠き、

同第二点は、事実誤認の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に当た

らない。

弁護人堀内清壽の上告趣意のうち、憲法三八条三項違反をいう点は、原判決が被

告人の自白のみで有罪の認定をしたものでないことは判文上明白であるから、所論

は前提を欠き、判例違反をいう点の実質は、事実誤認の主張であり、その余は、単

なる法令違反及び事実誤認の主張であつて、いずれも刑訴法四〇五条の上告理由に

当たらない。

弁護人古川勞、同小田原昌行、同加藤博史の上告趣意第一点のうち、憲法三一条、

三三条、三四条、三六条、三七条三項、三八条一項、二項違反をいう点は、記録を

調査しても、被告人の逮捕、勾留及び取調べに所論のような違法があるとは認めら

れないから、所論は前提を欠き、判例違反をいう点は、原判決は所論の点につきな

んら法律判断を示していないから、所論は前提を欠き、その余は、単なる法令違反

の主張であり、同第二点は、憲法三一条違反をいうが、記録を調査しても、証拠物

の収集について所論のような違法ありとは認められないから、所論は前提を欠き、

同第三点は、事実誤認の主張であり、同第四点は、再審事由の主張であつて、いず

れも刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号、刑法二一条により、裁判官全員一致

の意見で、主文のとおり決定する。

- 1 -

昭和六一年七月一四日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 島 昭

裁判官 牧 圭 次

裁判官 島 谷 六 郎

裁判官 香 川 保 一

裁判官 林 藤 之 輔

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!